新しい年を迎えるにあたり、年賀状は特別なメッセージを届ける素敵な手段ですね。
ですが、最近では「年賀状じまい」といった言葉もあり、年賀状のやりとりに負担を感じている方も少なくはありません。住所の確認や、喪中かどうか、そもそも送っていいのかと考えてしまうと、それだけで億劫になりませんか?
筆者はこれらに加え、「失礼のない挨拶・文のマナー」を注意することに大変さを感じます。年賀状の印刷は一度で終わらせたい。友人、親戚、職場で挨拶文を変えて数種類用意して印刷するのが面倒・・・。でも新年早々から失礼なヤツとも思われたくない。
ということで、
みんなに使える挨拶文を選び、印刷は一度で終えられる年賀状を目指し制作したいと思います。
この記事では、挨拶の言葉や文を簡潔にし、自作で用意したイラストや筆文字の画像を使って年賀状を制作していきます。少しでも皆さまの参考となれば幸いです。
書道ブログとしては「筆文字で1枚1枚を手書きします」の方がいいのでは?
ゆるい書道ブログですので、ね☆
今回は手書き筆文字を画像データにして使いまわします
まずは年賀状について
まずは年賀状のことを少し知ろうと思います。なぜ毎年「別に書かなくても問題ないだろうけど、書いた方が良いんだろうな」と思わせられるのか。文化として定着している感じがするから、でしょうか?歴史は古そうですよね。
由来と歴史
新年の挨拶周りは奈良時代にはあったそう。平安時代には手紙の文例集(藤原明衡『庭訓往来』)があり、その中に年始の挨拶の文例もありました。年始の挨拶を手紙でやりとりしていた、ということですね。新年の挨拶に関しては歴史が古いことがわかります。
今のような年賀状のかたちになったのは明治時代です。郵便制度が確立し、1873年に郵便はがきを発行するようになったことで、遠方に住む方への年始の挨拶が簡潔にできるようになりました。
時が経つにつれてデザインや形式が進化し、今では様々な種類が存在します。メールやSNS等などの普及により年賀状だけではない挨拶の仕方が増えています。
年賀状の『賀詞(がし)』
賀詞とはお祝いの言葉ですが、年賀状にも入ります。賀詞には「謹賀新年」、「賀正」や「明けましておめでとうございます」などがあります。これらは送る相手の立場によっては失礼になるものがあり、注意をするポイントのひとつとなります。
また、「新年明けましておめでとうございます」というのは重複表現だと指摘されることもあります。この場合だと「新年おめでとうございます」か「明けましておめでとうございます」のどちらかにしておいた方が無難なようです。
「賀正」や「謹賀新年」のような、「二字や四字の賀詞は男性が使うもの」というのも、ありました。
安易に「謹賀新年」でいいやと、字の準備をしていた陸羽(筆者・女)は後からコレに気づき、発狂しておりました
マナーが、厄介っっ……
賀詞と添え書きを決める
賀詞は「謹賀新年」に?
まずは、年賀状の冒頭にあたる賀詞を「謹賀新年」にして書いていこうと思います。
目にすることが多いし、筆で書くと格好いい気がしたので。
意味は「謹んで新年をお祝いいたします」となります。
適した相手は、目上の方や取引先とされていますが、同僚や部下の方にも使えるともありました。全方位に使えそうです。これなら何パターンも考えなくてすみますね。
文章での「あけましておめでとうございます」や「謹んで新年のお慶びを申し上げます」も全方位に使えるとのこと。
しかし、もうひとつ注意点。
上記にもありますが、賀詞のマナーで「二字や四字の賀詞は男性が使うもの」というのがありましたね。
「謹んで新年のお慶びを申し上げます」
この賀詞での年賀状も作成することにしました。(追加分です。)
『謹賀新年』の字は書道用の紙、墨、筆で書いたあとに、取り込みと加工編集をして画像ファイル(PNG)にしておきます。
添え書きも使いやすいものを
添え書きの文も決めていきましょう。
旧年中は大変お世話になりました
本年もよろしくお願い申し上げます
令和六年 元旦
これが一番多く使われていそうだと思い、まずは選んでおきます。
お世話になった方だとこれで大丈夫だと思ったのですが、「遠方に住んでいたり、久しく連絡が取れていなかったりする人に『大変お世話になりました』って文、・・・違和感があるかなぁ?」と何となく不安になってきます。そこで。
すばらしい一年になりますよう
心からお祈り申し上げます
本年もどうぞよろしくお願いいたします
令和六年 元旦
「これなら人を選ばなさそう。うん、みんなに幸あれ」ということで、こちらの添え書きに決定。
さて、賀詞と添え書きが決まりましたのでイラスト等と合わせていきます。
できた年賀状がこちら
3種類作ってみました。各種余白がありますが、これは住所や手書きメッセージ用にあけております。
気に入ったものがありましたら、ご自由にダウンロードしてお使いくださいませ。下の画像をクリックすると画像が拡大表示されます。
※ただし著作権は放棄していませんのでご了承ください。ダウンロードの際の報告は必要ありません。
筆文字(きっちり系)
『辰』と『謹賀新年』は羊毛筆で書いております。勢いや鋭いキレのある筆文字の年賀状はよく見かけますが、自分は柔らかい表現が好きなのでこの書き方にしました。黒色でも威圧感が和らいでいる感じがします。
あとは、グラデーションが入った和紙(っぽい)素材がアクセントですね。
ピンク色の龍(かわいい系)
かわいさを求めて制作しました。筆文字は入っていません。かわいさを求めました。(大事なことなので2回言います 笑)
文字はCanvaというグラフィックデザインができるサイト・アプリの中にある「UDモトヤ明朝」フォントを使っています。(無料で使えます)
https://www.canva.com/ja_jp/
もっちり龍(ゆるゆる系)
よりキャラクター的なかわいさを求めて描いたら、「・・・龍、だよね?」な、印象に。賀詞も、『明けましておめでとうございます』にし、堅さがまったくない年賀状になりました。
こちらの文字も、Canvaを使っています。フォントは「うずらフォント」です。
まとめ
今回は2024年の年賀状を作りました。簡単に仕上げようと思っていたのに、マナーの知識が足らず、調べる時間にかなり費やされてしまいましたね。
しかも、
1種類だけで済ませようとしたのに、結局3種類になってるし
はじめは筆文字だけの予定でしたが、途中でイラストも欲しくなってしまって…ね
描いてしまったのだよ
大切な人への挨拶や感謝の気持ちを届けるわけですから、失礼がないようにしたい。そして、できれば簡単にしたい、と思って言葉選びや画像を作ってみましたが、皆さまの参考に少しでもなれているでしょうか?
準備段階では面倒なことが多い年賀状ですが、温かい言葉を新年はじめに届けられるというのは素敵なことです。ぜひ、自分なりの素敵なメッセージを届けてあげてくださいね。
それでは、ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。
おまけ(ぬりえ)
需要があるのか、はてしなく疑問ではありますが。
ぬりえ用線画です。どうぞ。(クリックすると拡大します)
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